アジアの境界を越えて

刊行:2010年
A4・215P

境界を越えた未知の世界との出会いは、自分の世界を広げる機会であり、自分や自分たちの存在・立場を改めて実感する場でもあります。人類の歴史は、こうした境界を越える人々の営みの積み重ねであるといっても過言ではありません。

境界を越えることが、人々の意識や行動に如何なる変化をもたらしたのでしょうか。古今東西さまざまな時空で生じた、境界をめぐる人の動きに注目することは重要です。境界とは、二つの世界が接し重なるところです。視点や立場によって姿や形を変え、歴史の中には実にさまざまな境界の姿がみえてきます。しかし、我々は、無意識のうちに、境界を一本の線として、境界の内側あるいは外側を均質な世界と考えていないでしょうか。過去のさまざまな境界を眺め、比較することによって、現代の我々がもつ境界のイメージも相対化してゆきます。人間文化研究機構が主催する連携研究「ユーラシアと日本」では、境界を一つのキーワードとして、人文科学の諸分野が議論を重ねてきました。

「グローバル化」が叫ばれて久しい今日、境界という視点は、現代社会を理解し、その明日を考える上で一つの指標を与えてくれるものと考えています。ここでは、アジアに注目して、古代と近現代の境界を眺めてみることにしたいと思います。(国立歴史民俗博物館HPより)
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